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あの人をしのぶ
“世界のオザワ”こと指揮者・小澤征爾が亡くなって数日。この間多くの人が「小澤征爾さんがいたから日本人によるクラシック音楽が世界に通用することが証明できた」「小澤征爾さんのおかげで世界でやってこられた」という意味のことを言っている。本当にその通りで、彼以前の「世界に通用する日本のクラシック」は、プッチーニのオペラ『蝶々…
2023年9月13日、二代目市川猿翁(三代目市川猿之助)が亡くなった。享年83歳。訃報には決まって「スーパー歌舞伎の創始者」という文言が付いていた。確かに「三代目市川猿之助」と聞いてスーパー歌舞伎を思い浮かべる人は多いだろう。花道の上をワイヤーで飛ぶ「宙乗り」や、舞台に本当の水が入ったプールを設けて、その中で立ち回り…
少女小説や幻想小説などの作品で知られる作家の津原泰水(つはら・やすみ)さんが、10月に病気のため亡くなりました。時事通信社刊『大人だって読みたい! 少女小説ガイド』で貴重なインタビューに応じていただいた津原さんをしのび、その功績と作品について、同書の編著者の一人である嵯峨景子さんに語っていただきました。
3週間後に87歳の誕生日を迎えるという藤子不二雄Ⓐ (安孫子素雄)先生は足取りも軽やかに、トレードマークのサングラスをかけたクールな姿で現れました。2021年2月17日、編集に携わっていた『トキワ荘マンガミュージアム―物語のはじまり』(平凡社)のためインタビューに応じてくださったのです。 サービス精神と漫画家仲間…
3月14日死去した俳優の宝田明さんは、かつて自らの演技の特徴について「どこまでも明るくバタ臭いところ」と評した。そのルーツは南満州鉄道(満鉄)に勤める父ら家族と送った大陸生活にあったという。しかし、異国でのその後の強烈な体験は、平和と核廃絶への強い思いにもつながった。(時事ドットコム編集部 宗林孝)
野球漫画の金字塔と言われた「ドカベン」の作者、水島新司さんが82歳でこの世を去った。1972年に連載を開始し、2018年に最終回を迎えるまで46年間、計5シリーズにわたって同作を描き続けてきた水島さん。完結前の2015年、天皇、皇后両陛下(現在の上皇ご夫妻)主催の秋の園遊会で語っていた漫画への思いを紹介し、その功績に…
歌舞伎界を代表する立役(たちやく=男役)の一人として、時代物から世話物まで多くの当たり役で観客を魅了した中村吉右衛門さんが11月28日、77歳で死去した。3月28日に心臓発作で倒れて救急搬送されてから8カ月。舞台に復帰する日を待ち続けたファンの願いはかなわなかったが、吉右衛門さんが生涯を懸けて守り伝えた先人の芸と心は…
原爆投下から76年。「ネバーギブアップ」の精神で核兵器廃絶運動をけん引してきた坪井直さんが96歳で亡くなった。「ピカドン先生」と親しまれた坪井さんの足跡については、時事通信を含め、多くのメディアが報じている。ここでは、坪井さんが代表委員を務めてきた日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の歩みを紹介することで、哀悼の…
世界的人気ゲームソフト「ドラゴンクエスト」シリーズの音楽を一貫して担当するなど、「ゲーム音楽」というジャンルを築き上げた作曲家・すぎやまこういちさんが9月30日、90歳で死去した。ザ・ピーナッツの「恋のフーガ」やザ・タイガースの「モナリザの微笑」といった歌謡曲から、西城秀樹さんが歌った「ハウスバーモントカレー」などの…
8月19日、千葉真一さんが新型コロナウイルスの感染に伴う肺炎によって、82歳で亡くなった。日本の映像界が生んだアクションスターのパイオニアであり、世界の映画人がリスペクトするサニー・チバが、最期はウイルスに感染して逝ってしまったことは、あまりにも切ない。生前、彼を何度か取材した時の印象を元に、俳優・千葉真一(以下敬称…
山口百恵、キャンディーズ、松田聖子―7月16日に85歳で死去した音楽プロデューサーの酒井政利さんは、昭和、平成を彩った数多くのスターたちを世に送り出した。当初は映画の製作者を目指していた酒井さんの60年間にも及ぶプロデューサー人生を支えたのは、「自分の妄想を具現化させた時の達成感」だった。(時事ドットコム編集部 宗林…
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