前回(「地方行政」2022年3月24日号)、首相の岸田文雄が元首相・小泉純一郎の推し進めた構造改革について、日本経済の「体質強化、成長をもたらした」と述べたことに対し、「日本経済を成長させるための体質強化はなされていない」と指摘した。
当時、小泉の「ワンフレーズポリティクス」「劇場型政治」は人々を刺激し、5年半にわたって国民的な人気を博したことは事実である。景気は2002年2月から好転し、約70カ月も続く「いざなみ景気」が始まったとされている。
しかし、この景気回復をめぐっては「偽り」「見せ掛け」との批判も付きまとう。なぜなら、2000年代の日本経済をけん引した要因は、小泉構造改革の成果というよりも「輸出の回復」であり、それを支えた「円安」だったからだ。